TOMYから発売されている玩具「ZOIDS」を題材にした格闘ゲーム。
数年前にアニメと共に復活した新ゾイドシリーズと、今年アニメが放映されホビーとしても新展開中のZOIDS FUZERSのゾイドやキャラクターが登場する。
簡単なストーリーの元、オリジナルキャラを主人公に話を進めるストーリーモード、CPU、他のプレイヤーと対戦するVSモード、ランダムにCPUと数戦しポイントを稼ぐZiファイターモード、獲得したポイントでパーツを購入しゾイドをカスタマイズするカスタマイズモードがある。
登場するゾイドは13体と少な目だが、何十種類ものカスタマイズパーツの組み合わせは途方も無い数になるので、システム的にはゾイドの数は気にならない。しかし、お気に入りのゾイドが登場してない人もいるだろうし、そこは次回作に期待したいところ。
ゲーム内容はフィールド内で相手ゾイドと1対1で対戦するもの。格闘、射撃、追加武装がそれぞれワンボタンでシンプル操作になっており、ボタンを連続で押すことによりコンボになる攻撃や、十字キーと組み合わせて出すことの出来る攻撃など、単純なだけではないのも良い。しかしキーコンフィグに難があり、LRボタンに割り当てれる操作と○×□△ボタンに割り当てれる操作が決まっており、キーコンフィグの自由度が低い。
フィールドは起伏や障害物等はない。しかし、広いフィールド、狭いフィールド、明るいフィールド、暗いフィールド、霧が発生しているフィールド、土煙がすごいフィールドなどそれなりに変化がある。特に土煙が立つフィールドは必見で、ダウン時などはすごい迫力になる。大型ゾイドが歩いてももうもうと土煙が上がるのもリアル。
ゾイドの動きは細かく、かつリアルに挙動が再現されている。間合いの変化による拡大縮小や、視点の回転もとてもスムーズでゾイド同士の戦いを存分に堪能できる。
ゲージを消費して使うEX攻撃もカッコイイ。アニメを再現したもの等はすごく熱い。しかし、通常の攻撃のパワーアップ版に過ぎないものも多く、使い勝手が良いゾイド、悪いゾイドも割とはっきりと分かれる。しかし、そこもカスタマイズ次第で補うことができるのはこのゲームの良いところ。
モードに関しては、ストーリーモードには不満が大きい。登場するキャラクタが音声入りでしゃべるわけでもなく、フキダシでの会話をひたすら読んで、合間にCPUとの対戦があると言うもの。デモの最中はBGMすら流れず、セリフを早送りすることもスキップすることも出来ない。対戦も何度も盗賊と戦うことになったり、あまり盛り上がるものでもない。一応分岐があり、隠しキャラの出現条件があるので注意。
Ziファイターモード、VSモードではひたすら対戦をすることになるが、本来格闘ゲームとはそういうものなので、こちらには特に不満は無い。ただ、Ziファイターモードは1セットマッチであり、1セット終わって相手が変わるたびにローディングが入るので、本来あまり長くないローディングを長く感じてしまう。
全体として、ゾイドのファンゲームとしてはとても良く出来ている。ゾイドが好きな人なら買って損はしない。対戦相手が居ればなお良い。ストーリーに期待したい人や、一人で長い時間遊びたい人にはあまり向かないので注意。